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フランケンポットベリーボトル

1961年、ロンドンで1540年製のシュタインヴァインが開けられました。

有名なワインライターであり『ワインの物語』の著者でもあるヒュー・ジョンソン氏によると、このワインのボトルは400年以上経った今でも良好な状態を保っており、心地よい味わいと活力に満ちているそうです。

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このワインは、シュタインで最も有名なブドウ園の一つであるドイツのフランケン地方産で、1540年もまた伝説的なヴィンテージです。その年はライン川が非常に熱く、人々が川の上を歩けるほどだったと言われており、ワインは水よりも安かったそうです。その年のブドウは非常に甘く、おそらくこれが400年以上もの間、このフランケンワインが作られてきた理由なのでしょう。

フランケン地方はドイツ北部バイエルン州に位置し、地図上ではドイツの中心部にあたります。中心といえば、ロワール川中央部にある「フランスワインの中心地」、サンセールとプイィを思い浮かべずにはいられません。同様に、フランケン地方は大陸性気候で、夏は暖かく、冬は寒く、春には霜が降り、秋には初秋を迎えます。マイン川は、素晴らしい景観とともに、アペラシオン全域を蛇行しながら流れています。ドイツの他の地域と同様に、フランケン地方のブドウ畑は主に川沿いに広がっていますが、ここではリースリングではなくシルヴァーナーが主力品種である点が異なります。

さらに、歴史あるシュタイン・ヴィンヤード周辺のムシェルカルク土壌は、サンセールやシャブリのキンメリジャン土壌に非常に似ており、この土壌に植えられたシルヴァーナーやリースリングのブドウはさらに優れた品質を誇ります。

フランケン地方とサンセール地方はどちらも優れた辛口白ワインを生産していますが、フランケン地方におけるシルヴァーナーの栽培面積はサンセール地方のソーヴィニヨン・ブランの栽培面積をはるかに下回り、この地域全体の栽培面積のわずか5%を占めています。ミュラー・トゥルガウは、この地域で最も広く栽培されているブドウ品種の一つです。

シルヴァーナーワインは一般的に軽やかで飲みやすく、マイルドで食事との相性も抜群ですが、フランケンのシルヴァーナーワインはそれ以上。豊かで控えめ、そしてしっかりとした力強さを持ち、土っぽさとミネラル感があり、熟成能力も抜群です。まさにフランケン地方の王者と言えるでしょう。その年のフェアで初めてフランケンのシルヴァーナーを飲んだ時、一目惚れして忘れられませんでしたが、その後は滅多に見かけなくなりました。フランケンワインはあまり輸出されておらず、主に地元で消費されていると言われています。

しかし、フランケン地方で最も印象的なのはボックスボイテルです。この扁平で首の短い瓶の起源は定かではありません。この瓶の形は、地元の羊飼いが持っていた水差しに由来すると言う人もいます。地面に転がって消えてしまう心配がないからです。また、この太鼓腹の瓶は、ワインや本の梱包を容易にするために、頻繁に旅をした宣教師によって発明されたという言い伝えもあります。どれも納得できる話ですね。

売れ筋のポルトガル産ロゼワイン「マテウス」も、この独特なボトル形状をしています。ピンクワインは透明なボトルによく合いますが、フランケンの丸みを帯びたボトルは、落ち着いた素朴な緑や茶色のものが多いです。

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投稿日時: 2023年4月28日